ロイドは某デパートメイト・ストアの店員であった。彼には故郷に残したミルドレッドという良家の令嬢なる恋人があり、結婚をしたいのは山々であったが給料は少し困窮していた。しかし表面は高級店員の様に装い、恋人に無理をしてでも贈り物などをして機嫌をとっていた。ところがその恋人が急に故郷から出てきたために大金が必要の身となる。ちょうどそのころデパートから大勢の集客をした者に1千万ドルの懸賞金が出ることを知ったロイドは、結婚費用調達の好機として、デパートビルの屋上まで壁登りの離れ業を演じようと企む。実のところロイドは壁登りが得意な友人にやらせて一儲けする筈であったが、余儀ない事情で彼自らやらねばならぬ羽目となった。おっかなびっくり一階一階と登る間にも様々な困難や危険が待ち受けており、終いには時計台の針に宙づりとなってしまう。しかし九死に一生を得たロイドは遂に首尾よく成功し、金1千ドル及び恋人を手中に収めたのである。