ギタリストの祖父と母のもと、東京で生まれ育った拓次。自らも音楽家となり、二人の娘を持つ父親となった彼は、人と自然が分断され常に変わりゆく近代都市から沖縄に移住することに。そんな彼は、音楽を用いて国境を越えた調和を生み出すことを思いつく。それは、ヨーロッパでギターを学んだ祖父が夢見ていたこととも通じていた。拓次は世界を巡り、現地の音楽家達と共に、人々が一つの場所に集い、輪になって、声を重ね合わせる参加型のイベント・サークルボイスを始める。人々が声を響かせ合う、その時だけに紡ぎ出される平和な世界。それは儚い瞬間のものだが、そこにいる私たちの存在を力強く肯定してくれる。時に分断も生み出すことのある“コトバ”を超えたところで人々はどのように理解し認めあうことが出来るのか。映像と音は青柳拓次の旅に寄り添いながら、沖縄、東京、ミュンヘン、ライプツィヒ、過去、未来へと旅していき……。