1979年、東ドイツ・テューリンゲン州の電気技師ペーター(フリードリヒ・ミュッケ)とその家族は、手作りの熱気球で西ドイツを目指すが、国境までわずか数百メートルの地点に不時着。東ドイツでの抑圧された日常を逃れ、自由な未来を夢見ていたペーターだったが、無念の結果に終わる。準備に2年を費やした計画の失敗に、ペーターは落胆の色を隠せないでいた。そんななか、妻とふたりの息子に背中を押されたペーターは、親友ギュンター(デヴィッド・クロス)の家族も巻き込み、再び気球による脱出作戦を決意。だが、ギュンターが兵役を控えているため、作戦のリミットはわずか6週間。ふたつの家族は一丸となって不眠不休の気球作りに没頭するが、国家の威信を懸けて捜査する秘密警察の包囲網が彼らに迫ってくる……。