夫に先立たれた老女ジョーン・スタンリー(ジュディ・デンチ)は、仕事も引退し、イギリス郊外で穏やかな一人暮らしを送っていた。ところが2000年5月、ジョーンは突然訪ねてきたMI5に逮捕されてしまう。半世紀以上も前、核開発の機密情報をロシアのKGBに漏洩したというスパイ容疑であった。ジョーンは無罪を主張するが、先ごろ死亡した外務事務次官のW・ミッチェル卿が遺した資料から、彼とジョーンがKGBと共謀していた証拠が出てきたというのだ。そんななか、ジョーンの息子で弁護士のニック(ベン・マイルズ)は、母親を信じて彼女の弁護を担当することになる。だが、ニックの思いとは裏腹にジョーンの驚くべき過去が次々と明らかになってゆく……。