「ファウスト」「サンライズ」のF・W・ムルナウ氏が「サンライズ」に次いで作った氏のアメリカに於ける第二回目の監督作品である。原作は丁抹の作家ヘルマン・バング氏の小説で、ソレを「鬘」の作者ベルトールト・フィアテル氏、「タルテュフ」「サンライズ」のカール・マイヤー氏、「街の天使」「母ぞよく知る」のマリオン・オース女史、この3人が脚色した。主役を演ずるのは「第七天国(1927)」「街の天使」のジャネット・ゲイナー嬢であるが、そのほか「四人の息子(1928)」のチャールズ・モートン氏、「光明の彼岸へ」のナンシー・ドレクセル嬢、「父と子」のバリー・ノートン氏、「赤毛布恋の渦巻」のJ・ファーレル・マクドナルド氏、「水陸狂走楽」のメアリー・ダンカン嬢、アンダース・ランドルフ氏、フィリップ・デラシー君、等が出演している。キャメラは「第七天国(1927)」「街の天使」のアーネスト・パーマー氏と「ファジル」「港々に女あり」のL・ウィリアム・オコンネル氏との2人。因にこのバング氏の原作は数年前にデンマークに於いてA・W・サンベリィ氏によって映画化され「曲馬団の鬼」として我が国にも公開せられたものである。