桃子(田中裕子)は1964年に故郷を飛び出し、身ひとつで上京。それから55年。同じ方言を話す周造と出会い、結婚して主婦となり、2人の子供を育て、やっと夫婦水入らずの平穏な日々が送れると思った矢先に突然夫に先立たれ、独りになる。図書館で本を借り、病院へ行き、46億年の歴史ノートを作る孤独な日々を送るうちに、桃子は万事に問いを立ててその意味を探求するようになる。すると、桃子の前に彼女と同じ服装の3人組が突然現れる。「おらだばおめだ」と東北弁を話す彼らは、桃子さんの心の声を具現化した『寂しさ』たちだった。桃子の心の声である『寂しさ』たちがジャズセッションに乗せて故郷の言葉で内から外に湧き上がってくるようになっていった。桃子の毎日は現在と過去を行き来し、いつのまにか『寂しさ』たちとの賑やかなものに変わっていく。