デビューから50年余、81歳にして今なお最先端で活躍を続ける写真家・森山大道。2019年には写真界のノーベル賞とも言われる“ハッセルブラッド国際写真賞”を受賞するなど、世界で最も人気のある日本人写真家として知られる。ストリートスナップの帝王、世界的ファッションブランドからコラボを求められるスタイリッシュな巨匠、若い世代からも絶大な支持を集める写真界最大のスーパースター……。様々な顔を持ちながらも、その撮影手法や普段の生活は、これまで謎に包まれてきた。そんな森山の魅力に迫るため、1968年に出版され、“幻の作品集”として半ば伝説化していた森山のデビュー写真集『にっぽん劇場写真帖』の復刊プロジェクトに密着。写真家としてだけでなく、造本家や編集者とやりとりする森山の姿も垣間見ることができ、まるで一冊の本が誕生する現場に立ち会っているような感覚を味わうことができる。