1979年、ポストパンク時代のマージーサイド。19 歳のカーティ(ニッキー・ベル)は1年前に母を亡くしており、郊外の中産階級の家で、悲しみにくれる父や血気盛んな妹モリー(ホリデイ・グレインジャー)と暮らしている。下級公務員として働いているが、収入を全てクラブ遊び、レコード、サッカー、ライブに費やしている。ある日エコー&ザ・バニーメンのライブで、かねてからカーティが魅了されていた悪名高いギャング集団パックの一員であるエルヴィス(リアム・ボイル)と出会う。ピーターストームにフレッドペリー、ロイスのジーンズ、そしてアディダスのスニーカーという出で立ちの彼らはスタジアムで常に問題を起こしており、エルヴィスはカーティにパックと付き合うことが危険であると警告。カーティのような芸術、音楽、詩、そして死について語り合える友人をずっと待ち望んでいたエルヴィスは、いつしかカーティに夢中になっていった。しかしカーティはエルヴィスの警告を聞かずにパックへの憧れをますます募らせ、危険な世界の扉を徐々に開いていく。ある遠征で成果をあげたもののパックのボスであるゴッドン(スティーブン・グレアム)に認められることはなく、謎に包まれた存在のエルヴィスが自分よりも尊敬を集めていることに苛立つカーティ。自分の思いが届かないことに苦悩するエルヴィス。次第に綻びは大きな傷になっていき……。