大学生の英一(吉沢亮)はかつて、日本将棋連盟の棋士養成機関・奨励会に所属し、棋士を目指していた。だが、降格すれば奨励会を去らなければならない大一番で、同世代の中で圧倒的な強さと才能を誇る陸(若葉竜也)に敗北。プロの道を諦めた英一は、普通の学生に戻ろうと、大学に入学したのだった。ところが、幼少時から将棋しかしてこなかった英一が、急に社交的になれるはずもなかった。ぎこちない学生生活を始めたものの、なかなか友人もできないまま。そんなある日、ふとしたことからコンピュータ将棋と出会う。独創的で強い。まさに自分の理想とする将棋を繰り出す元となるプログラミングに心を奪われた英一は早速、AI研究会の扉を叩く。そこで、変わり者の先輩・磯野(落合モトキ)の手ほどきを受けることに。自分の手で生んだソフトを強くしたい……。生まれて初めて将棋以外の目標を見つけ、プログラム開発にのめり込んでいく英一。数年後、コンピュータ将棋の大会で優勝した英一は、棋士と対局する電王戦出場の依頼を受ける。最初はその申し出を拒否するが、相手がかつてのライバル・陸だと知り……。