東京でメイクアップアーティストを志す音更結子(深川麻衣)は、メイクの仕事をしながら美容部員として働いている。しかし、嘘が嫌いで頑固な性格が災いし、仕事をクビになってしまう。さらに、大切な祖母が亡くなったという知らせが届く。幼いころ、母に捨てられた自分を育ててくれた祖母を、ひとり寂しく死なせてしまった後悔に苛まれた結子は、故郷へ戻る。ある日、幼なじみで役所に勤める星野一郎(高良健吾)が、老人向けに遺影の撮影の仕事をしてみないかと結子に声をかける。写真館を営んでいた祖母の遺影がピンボケだったことを悔やんでいた結子は、その誘いを受ける。最初は、縁起が悪いと敬遠され、老人たちになかなか受け入れてもらえない。だが、一人暮らしの老人・山岸和子(吉行和子)と出会ったことをきっかけに、遺影ではなく、それぞれの思い出溢れる場所で撮影する“おもいで写真”を撮り始める。老人たちと触れ合いながら、次第に赦しの意味を知った結子は、人生の意味を見出していく……。