富士山の麓にあるのどかな撮影所バイプレウッドでは、民放各局の連ドラや映画など沢山の組が撮影しており、100人を越える役者たちで賑わっている。元祖バイプレイヤーズの田口トモロヲ、松重豊、光石研、遠藤憲一らは、有村架純主演の連ドラを撮影中。しかし有村が共演している犬の風(ふう)が行方不明になっていた。心配する有村に、田口、松重、光石の三人は風に何があったのか語り始める……。一ヶ月前、濱田岳、柄本時生、菜々緒、高杉真宙、芳根京子ら若手の役者たちは、「月のない夜の銀河鉄道」という自主映画の撮影に取りかかっていた。濱田岳が監督、小さなチワワが主人公というその作品は、ラストに100人の役者がSLで祝杯をあげるという壮大なストーリーで、車掌役の役所広司もそのシーンの撮影を心待ちにしていていた。しかし役者は全く集まっておらず、超低予算なので役者がスタッフを兼務。さらに主役のチワワは逃げ出し、撮影目前にSLのロケを断られてしまう。それにも関わらず濱田は監督風を吹かせ、菜々緒、高杉、芳根は呆れて濱田組を降りてしまう。落ち込む濱田や時生を見かね、田口ら元祖バイプレイヤーズは自分たちのスタジオのSLセットを貸すことに。一方、菜々緒は敬愛する天海祐希と出くわす。天海はバイプレウッドに買収話が上がっていることを憂いており、天海と菜々緒は撮影所の存続をかけ署名を集めるためにバイプレウッド中の役者に声をかけていく。かたや、100人の役者を集めるべく撮影を再開した濱田と時生だったが、勝村政信や渡辺いっけいなど厄介な名脇役おじさんたちにことあるごとに邪魔され、ストレスが溜まっていく。陰ながら彼らを見守る田口、松重、光石は何か秘密を隠しており……。それぞれの思いが交錯するうちに役者同士のぶつかりあいに発展。それに触発されたのか、犬の風も撮影所中を駆けずり回り大暴れ。バイプレウッド全体を巻き込む大騒動になる。