平成最後の年。少子高齢問題、外来種の亀の大量繁殖問題に悩まされる架空の街、関谷市。令和元年に太平洋戦争の平和記念館設立を目指す市長の清水昭雄(吹越満)の下に、一通の怪文書が届く。“平和記念館設立を中止せよ。私は清水正一を許さない”。清水正一(藤森三千雄)とは、昭雄の祖父であり、戦時中から国民学校の教師として子どもたちに反戦を訴えていた町の偉人だった。差出人の正体は、街で石材店を営むBC級戦犯遺族の南野和子(大方斐紗子)。正一の教え子だった和子は、戦時中の正一が本当に反戦を訴えていたのか、その事実を知っているというのだ。街の平和推進委員会一同が和子に抗議するが、あっけなく返り討ちに遭い、昭雄が和子に直接対決を挑むことに。これをきっかけに幕を開ける市長VS南野家の攻防。街でスナックを経営する思想とは無縁の和子の長女・えり子(髙橋睦子)、日本を飛び出して国際ボランティア活動を行うえり子の長女・紗江(西山真来)。えり子の次女で、和子と共に石材店を営む光(北香那)。そして、紗江の長女の幼子マリ(西めぐみ)。思想もバラバラの南野家が、それぞれの思惑を抱いて昭雄にぶつかっていく。そして、正一の老人ホームで、南野家が平成最後のテロを起こす……。被害者と加害者の境を見失った人々が繰り広げる物語に待ち受ける奇想天外な結末とは……?