テキサス州パンパ1936年。大経済恐慌はこの小さな町をも容赦なく揺るがしていた。オクラホマから一家で移ったウディ(デイヴィッド・キャラダイン)は看板書きの不満な日々を送っている。妻メアリー(メリンダ・ディロン)や老いた両親、幼い2児を残し、ウディがこの地を去ったのは、その頃であった。明るいカルフォルニアに行けば何かある--。ヒッチハイクや、黒人に教えてもらった貨車のタダ乗りと、彼の西への旅は続いた。だが、彼の夢見た土地は、よごれた移民キャンプだったのだ。難民ルーサー(ランディ・クエイド)らと共に、この地に住むウディ。そんな彼の前には、亡き夫の遺産を恵まれない人々にと考えるポーリン(ゲイル・ストリックランド)という女性もいた。さらにウディの生きる道に影響を与えるオザーク(ロニー・コックス)もキャンプに現われる。農園経営の成功者でラジオ歌手のオザークはギターの弾き語りで、沈む難民の心を鼓舞させているのだ。やがて、意気投合する2人。集会を禁止する州の目を盗んで彼らのコンサートは続けられた。そんなある日、オザークがウディのためにラジオ局の仕事を持ってくる。チャンスだ。ウディのスピリッツは電波に乗って数多くの底辺の人々の心を捉え始めた。彼の人気は次第に上っていくが、局側はスポンサーの意向を押しつけてきた。ポピュラーな選曲と、フォーク・コンビとの共演だ。ウディのスピリッツはこれでは消えてしまう。不満な彼は数日後、ギターを背負い再び放浪の旅に出るのであった。