フィリピンの首都マニラのスラム街、路地の奥でひっそりと住む高齢の日本人男性たち。”困窮邦人”と呼ばれる彼らは、かつて日本で警察官、暴力団員、証券会社員、トラック運転手などの仕事をし、家族がいるのにも関わらず、何らかの理由で帰国しないままそこで人生の最後となるであろう日々を送っている。周囲の人の手を借りながら僅かな日銭を稼ぎ、この地で寄る辺なく暮らす4人の老人男性に密着。半身が不自由になり、近隣の人々の助けを借りてリハビリする男。連れ添った現地妻とささやかながら仲睦まじい生活を送る男。便所掃除をして軒下に居候している男。最も稼げないジープの呼び込みでフィリピンの家族を支える男。彼らの日常や周囲のスラムの人々の姿を、カメラは捉える。