吹雪に見舞われた旅芸人のジェデオン(声:柄本佑)とアルメリーナ(伊藤沙莉)は洞窟に逃げ込んだところに、冬眠から目覚めた老クマ(リリー・フランキー)が現れる。ジェデオンは食べられまいと、古くから伝わる物語を語り始める。遠い昔、山奥に平和なクマの王国があった。ある日、クマの王レオンス(堀内賢雄)の息子トニオがいなくなる。悲しむレオンスに、長老テオフィルが人間の暮らすシチリアに行けば見つかるかもしれないと進言する。レオンスはクマの群れを引き連れてシチリアに発つ。シチリアの大公は、魔術師デ・アンブロジス(柄本佑)からクマの到来を知らされると奇襲をかけ、テオフィルを殺してしまう。レオンスは魔術師にトニオの捜索を頼むが、魔術師はあと2回しか使えない魔法は自分のために使うと断る。翌朝、大公の従兄弟モルフィット伯爵のイノシシの大群がクマたちを襲う。魔術師は思わず魔法でイノシシを退け、怒った大公のために、クマたちを幽霊の住む悪魔岩の城へ導く。ところが幽霊になったテオフィルが現れ、一緒に踊り出す。次は化け猫マーモセットの宿屋に連れて行くが、忠臣バボンの活躍で化け猫を撃退する。そうとは知らない大公がサーカスを見ていると、そこにレオンスが来て、綱渡りをするトニオと再会する。だが、大公はトニオを撃ち殺す。レオンスたちの頼みを聞き、魔術師は魔法でトニオを蘇生する。暴君の大公は殺され、レオンスがシチリアの王となり、クマと人間の平和な時代が訪れた……。ジェデオンが話を終えようとすると、老クマは物語の続きを話し始める。その後、魔力が復活した魔術師の杖が盗まれ、レオンスは人間たちに盗んだことを申し出るよう厳命する。トニオと魔術師は、泥棒が人間だと決めつけるのは不公平だと意見するが、レオンスは聞き入れない。さらにサルペトル(加藤虎ノ介)の陰謀で、魔術師は銀行強盗の罪で塔の上の牢獄に閉じ込められる。トニオは友達のアルメリーナとともに、命の恩人である魔術師を助けようとするが……。