1950年代後半、アメリカ郊外の街。ある日、ロマ民族のマヤ(ノオミ・ラパス)は、街で男の指笛を聞く。その瞬間、マヤの脳裏に“ある悪夢”が蘇ってくる。最近、近所に越してきたその男は、戦時中にマヤを暴行し、マヤの妹を殺害したナチスの軍人であった。マヤは復讐心から男を殺そうと誘拐し、夫のルイス(クリス・メッシーナ)の手を借りて自宅の地下室に監禁。だがトーマスと名乗るその男(ジョエル・キナマン)は、人違いだと主張する。記憶がおぼろげなマヤは、男を殺したい気持ちと同時に、ただ事実を知りたいと罪の自白を男に強要し続けるのだった。一方、男のほうもマヤの話を否定するものの、何かを隠しているような表情をみせる。マヤを信じたいルイスが真実を突き止めようと奔走するなか、監禁された男の妻レイチェル(エイミー・サイメッツ)は、夫の安否を心配しながらも、自らの素性を話さなかった夫への不信感を募らせてゆく。果たしてマヤの悪夢は妄想か、現実か……。