山奥の古民家で陶芸家の夫・哲郎(永瀬正敏)と穏やかに暮らしている32歳の美月(佐津川愛美)のもとに、ある日義弟の伊織(濱田龍臣)が恋人の香澄(森田想)を連れ立って15年ぶりに現れた。伊織から母・五十鈴(筒井真理子)が死んだことを告げられ、美月が封印していた家族の過去が溢れ出し、愛する夫との暮らしを守るため家族の暗部と対峙する。母はある事件がきっかけで離婚し、心にトラウマを抱えていた。美月はそんな不安定な母を子どもながらに支え、二人で必死に生きてきた。母が再婚し4人家族になり、美月はやっと温かな居場所ができると思っていた。しかしかつてのトラウマから、母は17歳になり美しく成長した美月の女の部分に対し嫌悪感や嫉妬を抱き、激しく抑圧するように。そんな母への反抗心から義父(板尾創路)に接近した美月だったが、次第に深みにはまり、ついには再び事件が起こる。そして家族は崩壊していった。15年ぶりに実家に戻った美月は、義弟から15年間にわたる壮絶な義母の介護を知らされ、その代償の重さを痛感。目を背けてはいけないと、封印した秘密を夫に告白する。