東日本入国管理センター、いわゆる『牛久』は、茨城県牛久市にある大規模な入管施設の1つである。ここには、難民としての保護を求めてやってきた多くの人々が収容されている。昨今、日本政府による入管法改正の動きは、様々な議論を巻き起こした。その最中、当事者たちの了解を得て、彼らの助けを求める声を1年半に渡って記録し続けた。本作は施設が定めるメディアを含む訪問者への厳しい規制を潜り抜け、“隠し撮り”という手法で制作されている。収容者を犯罪者扱いし、長期拘束し、家族を分断し、心を蝕み、死に追いやる構造。この作品を通じて、観客は収容者と直接対面することになる。収束の兆しが見えない新型コロナによるパンデミック、東京オリンピック開催を前に、日本の“おもてなしの現実”と“偽りの共生”露わになる。