コメディが得意なアメリカ人の映像ディレクター、スティーブは、東日本大震災のドキュメンタリー制作のために来日する。だが、被災地を訪れた際、目にした演劇の舞台をきっかけに、コメディ映画を作ることを考える。ところが、取材を重ねる中で被災状況を目の当たりにした上、週刊誌に誹謗中傷記事が出るなど、暗雲が立ち込めてしまう。それでも、彼には映画を撮らないといけない理由があった。一方、震災で息子を亡くし、ロサンゼルスに移り住んだ日本人シンガーの麗子は、歌のせいで息子を失ったという罪悪感に苛まれ、再びシンガーとして活動することができず、日本に残してきた夫と向き合うこともできない年月を過ごしていた。そんなある日、麗子は夫からの手紙の中に“あるもの”を見つけるが……。