耳の聴こえない親から生まれた、耳の聴こえる子どもたち、コーダ(CODA:Children Of Deaf Adults)は、家では手話で、外では口語で話す。学校に行けば障がい者の子扱いされ、ろうからは耳が聞こえるからと距離を置かれる。コーダという言葉が生まれたアメリカでコーダ・コミュニティを取材し、アイデンティティ形成期の多感な時期を過ごす15歳のコーダの子どもたちの3年間を追う。聴こえる世界にもろうの世界にも居場所のない彼らが、ありのままの自分を解放し無邪気な子どもに戻れるのが、一年に一度の“CODAサマーキャンプ”だ。サマーキャンプが終わると、進路を決める大切な時期に入る。ナイラは「ろうになりたい」という強い思いに突き動かされ、聴力に異変をきたす。ジェシカは、自分を育ててくれたシングルマザーのろうの母から離れて大学に行こうと葛藤する。MJはコーダである自分の人生を手話で物語ることで肯定し、友達を作ろうとする。日本とアメリカを行き来し手話通訳士をするアシュリーは妊娠を機に、お腹の子がろうになるか聴こえるかという悩みを抱えながら出産に向かう……。