1970年代、麻薬カルテルが台頭するコロンビアのメデジン。父と同じ名を持つエクトル(ニコラス・レジェス・カノ)は、5人姉妹に囲まれた唯一の男子として、深い愛情を注がれて育つ。公衆衛生を専門とする大学教授の父エクトル・アバド・ゴメス博士(ハビエル・カマラ)の家庭は寛容と愛の心を育む教育により、活気と創造性が満ち溢れていた。そんな中、姉妹の一人が恐ろしい病魔に冒される。それをきっかけに、悲しみと怒りに突き動かされたアバド・ゴメス博士は、政治活動にのめり込んでいき、エクトルら家族の日常も次第に変化していく。一方、分断されたメデジンの社会では、テロが多発。次第に自由を信奉する博士の声を封じようとする準軍事組織の動きが加速するが、家族の心配をよそに博士はメデジン市長選への出馬を決意する……。