1980年後期のニューヨーク。アンディ・ウォーホールやジャン=ミシェル・バスキアたちの時代が終焉を迎え、そこに空いた穴を埋めるかのように、ヒップホップとスケートボードという2つのサブカルチャーが頭角を現す。当初、ヒップホップは黒人のもの、スケートボードは白人のもの、というイメージが強かった。ところが、当時は珍しかったヒップホップを流すクラブ“Mars”のオープンを発端に、Wu-TangClan、Nasやノトーリアス・B.I.G.といったラッパーたちの誕生、映画「KIDS/キッズ」の公開、スケートブランドZooYorkやSupremeのローンチなどを経て、ライフスタイルが似ていた両者の文化は次第に交わってゆく。そしてついに、ラッパーがスケートブランドで着飾り、逆にスケーターがヒップホップを聴くようになる。今では世界的に最も影響力のあるストリートカルチャーを作り上げたもの。それは、“不良”と呼ばれていた若者たちの生き様だった……。