AIロボットが家族として溶け込んでいる近未来を舞台に、故障したロボットのヤンが体内に撮りためた記録映像をたどりながら、家族との愛情の軌跡をひもとくSF映画の意匠を凝らしたヒューマン・ドラマ。小津安二郎を信奉し、小津と組んだ脚本家・野田高梧に因んでコゴナダと名乗る新進監督の長編第2弾。A24製作、阪本龍一がオリジナル・テーマ曲を担当した。残された映像を手がかりにヤンのミステリアスな過去をたどっていく主人公ジェイクに扮するのは、「THE BATMAN-ザ・バットマン-」のコリン・ファレル。妻のカイラに「ウィズアウト・リモース」のジョディ・ターナー=スミス、ヤンをドラマ『アンブレラ・アカデミー』のジャスティン・H・ミン、ヤンを兄と慕うミカに、本作が映画デビューとなる、マレア・エマ・チャンドラウィジャヤ。そして、監督のデビュー作「コロンバス」で主演を務めたヘイリー・ルー・リチャードソンが物語の鍵を握る謎めいた女性を演じた。ヤンの体内に残された映像には何が映っているのか。そこに刻まれたヤンの記録/記憶は、いったい何を物語るのか。そしてAIに感情は宿るのか。幾多のミステリーを提示しながら、人間とロボットの関係性について観る者に問いかける。