両親の介護のため、15年前に東京から実家の長野に移り住んだ42歳の大島圭子(宮澤美保)。生活保護を受けながら寝たきりの父を看取り、アルツハイマーに冒されて意思の疎通が取れない母・安江(クランシー京子)の介護をしながら慎ましく暮らしている。ある日、安江の徘徊騒動をきっかけに高校の同級生・横山賢治(永栄正顕)と再会した圭子は、彼の手を借りながら母の介護をすることに。それまでは暗く、表情のない圭子だったが、次第に明るさを取り戻し、年相応の女性として肉体と精神に火が灯り始めてゆくのだった。だがそんな折、安江が急死。警察の検視の結果、安江の死は病死ではなくインシュリンの過剰投与による殺人事件と断定される。警察から取り調べを受ける圭子の人生は真っ逆さまに転がり落ちてゆく……。