年間推定6万件の誘拐ビジネスが横行するメキシコを舞台にした実話ベースの社会派クライム・スリラー。犯罪組織に誘拐された愛娘の奪還を誓う母親の深い愛情と執念の闘争が描かれる。ルーマニア生まれでベルギーを拠点に活動するテオドラ・アナ・ミハイ監督が理不尽な暴力が渦巻く世界を変えたいと企画、本作で劇映画デビューした。「ある子供」のジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ兄弟、「4ヶ月、3週と2日」のクリスティアン・ムンジウ、「或る終焉」のミシェル・フランコといったカンヌ受賞監督たちがプロデュース。第74回カンヌ国際映画祭ある視点部門で勇気賞を受賞、第34回東京国際映画祭コンペティション部門では「市民」のタイトルで上映され、審査委員特別賞を受賞した。