1980年代。失業率が高く、産業が低迷していた時代であり、扇動的な人種問題がはびこり、同時に素晴らしい音楽や文化が生まれた時代。イギリス南部の静かな海辺の町マーゲイトで地元の人々に愛される映画館・エンパイア劇場では、ヒラリー(オリヴィア・コールマン)がマネージャーとして働いていた。辛い過去の経験から人とのかかわりを避け、今も心に闇を抱えているヒラリー。そんな彼女を、映画館のユニークな従業員たちは温かく見守っていた。ある日、大学で建築を学ぼうとしていたが、道を阻まれた黒人青年スティーヴン(マイケル・ウォード)が、エンパイア劇場の新たなスタッフとして加わる。明るく前向きで好奇心にあふれたスティーヴンに、ヒラリーは生きる希望を見出していくのだが……。