連続在任日数2822日を誇った歴代最長在任総理大臣・故安倍晋三。総理退任後も、凶弾に倒れるまでキングメーカーと称され、群を抜く影響力を維持していた。タカ派的な外交政策と所謂“アベノミクス”に代表される経済政策を行い、高い人気を誇った半面、物議を醸す言動やスキャンダルの絶えない人物であった。そんな彼が心酔していた母方の祖父・岸信介。その風貌と社会の表と裏を渡り歩き、政財界を操る実力者としての異名から“昭和の妖怪”と呼ばれ、第56・57代内閣総理大臣を務めた。幼心に、祖父の教えとして刷り込まれた野望を実現しようと、極端なまでに前のめりな政治姿勢であった背景にあった血縁と生い立ちの秘密とは。そして“美しき国、日本”をスローガンに掲げていた安倍元総理とはいったい何者であったのか、この国に遺したものは何だったのか……。