福岡の下町、中洲の一角にある食料品店『ふくのや』。店主の海野俊之(博多華丸)と妻・千代子(富田靖子)、お調子者の松尾(斉藤優)やしっかり者の八重山(瀬口寛之)ら従業員たちが今日も忙しく働いている。そんななか、ふくのやの店先にタコ焼きの屋台が現れる。商売の邪魔だと反発する従業員たちを前に、俊之と千代子は屋台の店主・ツル(余貴美子)を笑顔で迎え入れる。だが、夜な夜などこかに出かけるツルは、地面のあちこちを掘り返し何かを埋めている。近所の住人もそれは怪しいと、警察も巻き込む騒動へと発展してゆくのだった……。そんなある日、八重山が妙な絵を描き始める。ついにおかしくなってしまったのかと心配する一同。俊之は結婚していないことが原因だと思い、八重山のために見合い相手を探し始める。だが実は八重山には片思いをしている女性がいた。その相手は小さなアトリエで絵画教室を営むマリ(地頭江音々)だった。八重山はそこに通うために絵を描いていたのだ。一方、八重山のお見合い相手を探して奔走する俊之は気になることがあった。それは、いつも自分を支えてくれる千代子の誕生日が近いこと。何か感謝の気持ちを伝えたいと思ってはいるが、今一つ思いつかない。果たしてみんなの想いの行先は……。