“サスペンス映画の神様”とも称されるアルフレッド・ヒッチコック。未完成に終わった幻の監督デビュー作『Number 13』(1922)の監督デビューから100年。映像が氾濫するこの時代においても、ヒッチコック作品は今なお映画を愛する者たちを魅了し続けている。イギリス生まれの彼は、サイレント映画時代からヒットメイカーとして君臨。イギリス映画界からハリウッドへ渡ってからも、「レベッカ」(40)が第13回アカデミー賞で作品賞を受賞するなど、輝かしいフィルモグラフィを積み上げてきた。本作では、「白い恐怖」(45)や「めまい」(58)、「北北西に進路を取れ」(59)、「サイコ」(60)などのヒッチコック演出が冴え渡るシーン解説の数々に加えて、『快楽の園』(25)や『ダウン・ヒル』(27)といった初期作品の本編フッテージも駆使しながら、ヒッチコックの演出テクニックを視覚的に解き明かしてゆく。