22歳で夭逝した大正時代の画家・村山槐多による絵画『尿する裸僧』に魅入られた法月薊(佐藤里穂)が、街頭で道行く人々に「村山槐多を知っていますか?」とインタビューしていると、「私がカイタだ」と答える槌宮朔(遊屋慎太郎)に出会う。特殊な音域を聴き取る力を持つ朔は、ある日、過去から村山槐多が語りかける声を聴き、度重なる槐多の声に神経を侵食され、自らが槐多だと思いこむようになっていた。朔が加工する音は、朔と同様に特殊能力を持つ者にしか聴きとれないものだが、それぞれ予知能力、透視能力、念写能力、念動力を有する若者4人のパフォーマンス集団がそれに感応。彼らは、その能力ゆえに家族や世間から異分子扱いされ、ある研究施設で普通に近づくよう実験台にされていた。やがて、施設を脱走した4人は街頭でパフォーマンスを繰り広げるが、研究所の職員・亜納芯(田中飄)は、そんな彼らの一部始終を観察していた。一方、朔がノイズを発信する改造車を作った廃車工場の男・式部鋭(佐野史郎)は、自分を実験材料にした父親を殺そうとした朔の怒りを閉じ込めるために、朔のデスマスクを作っていた。薊は、それが何故か村山槐多に似ていたと知り……。