富士山の麓に建つ小さな病院・青田病院の院長である青田岳雄(吉田悟郎)。彼は経営ありきの民間病院と、大学病院における純粋な医療の狭間で葛藤していたが、同僚であり、大学の同期でもある峰山昇太郎(山中アラタ)と共に大学病院に負けない医療レベルの実現を目指していた。院長に就任してから1年目のある日。医療保険を使う医師や病院側を、細かい規定で縛る“個別指導”を行うため、元医師で現在、厚生労働省の医系技官である荒川直樹(岡部尚)が青田病院へやって来る。『良い病院を助け、悪しき病院を取り締まる』はずの個別指導だが、現場を知らない、知ろうとしない官僚たちは、まるで交通違反の切符切りのように紋切り型の対応で裁量権を振りかざし欲求を満たす。人一倍正義感が強く屈辱感に耐え切れない岳雄。そんな大きな力が岳雄を阻むなか、3人はそれぞれの立場から医療の道を模索し歩んでゆく……。