あるリゾート地を5年ぶりに訪れた幼馴染の佐野と宮田が、佐野の亡き妻・凪(なぎ)との思い出の場所を巡りながら、かつて失くした赤い帽子を探す夏の物語。思いがけない出会いがもたらす幸せも、別離がもたらす悲しみも、月日とともに過ぎていく。だが「人生のかけがえのない瞬間」は、そんな時の流れにこそ隠れている。5年前と現在という二つの時間の中で人々の奇跡のようなひとときが鮮やかによみがえる。五十嵐耕作監督が注目を浴びた短編映画「水魚之交」を基に、自ら長編の脚本を書き監督した。「泳ぎすぎた夜」を共に監督したダミアン・マニヴェルが共同プロデューサーを務め、ポストプロダクションをフランスで行った。出演は短編に引き続き佐野を「愛にイナズマ」の佐野弘樹、宮田を「悪は存在しない」の宮田佳典、凪を「猫は逃げた」で主演を務めた山本奈衣瑠。第81回ヴェネツィア国際映画祭ヴェニス・デイズ部門のオープニング作品。