兵庫県神戸市の生まれ。本名・古田岳史。大阪芸術大学芸術学部ミュージカル科在学中の1984年、“劇団☆新感線”に参加。同年の『宇宙防衛軍ヒデマロ』で初舞台を踏み、以後、同劇団の看板俳優として活躍を続けつつ、大阪・読売テレビの深夜番組『現代用語の基礎体力』89、『ムイミダス』90などで人気者となる。95年の関本郁夫監督「極道の妻(おんな)たち・赫い絆」で映画初出演。市川準監督「トキワ荘の青春」96では夢破れてトキワ荘を去る漫画家・森安直哉を繊細に演じて新たな一面を覗かせ、山本政志監督「アトランタ・ブギ」96では町内運動会に燃える社長を熱演。ドラッグの売人役を怪演した山本監督「ジャンク・フード」98、命懸けで戦う農民を演じた神山征二郎監督「郡上一揆」00などで、多彩な顔を見せる。2002年、宮藤官九郎脚本のTBS『木更津キャッツアイ』で謎めいた“オジー”役を演じて知名度も急上昇し、以後も宮藤脚本のTBS『マンハッタンラブストーリー』03、『タイガー&ドラゴン』05や、NHK『新選組!』04、日本テレビ『夢をかなえるゾウ』08、TBS『専業主婦探偵・私はシャドウ』11などのドラマで活躍が続く。映画も、宮藤監督「真夜中の弥次さん喜多さん」05、堤幸彦監督「20世紀少年」09などで特異な個性を瞬時に放つほか、退廃的なムード漂う元自衛官を巧演した篠原哲雄監督「昭和歌謡大全集」03、なぜか女にはモテる甲斐性なしを飄々と演じた根岸吉太郎監督「サイドカーに犬」07、独自の美学で暴君暗殺計画に加わる槍の名手を力演した三池崇史監督「十三人の刺客」10などでの丹念な役作りも光る。舞台も、『五右衛門ロック』08、『薔薇とサムライ』10など新感線の公演のほか、歌に踊りに殺陣もこなすスケール豊かな実力派としてオファーが相次ぐ。98年に読売演劇大賞優秀賞、10年に紀伊國屋演劇賞個人賞を受賞。