兵庫県城崎郡日高町(現・豊岡市)の生まれ。県立豊岡高校卒業後の1980年4月、自衛官だった父の勧めで陸上自衛隊に入隊。第三戦車大隊に配属されるが、俳優を志して翌81年9月に除隊し、法政大学文学部英文学科に進学する。在学中にニューヨークのアクターズ・スタジオなどで演技の訓練を積み、86年3月に大学を卒業すると、奈良橋陽子が演出を手がけた舞台『MONKEY』で俳優デビュー。翌87年にNHK『婚約』でドラマ初出演を果たし、88年には藤田朋子のデビュー作となった連続テレビ小説『ノンちゃんの夢』にも出演する。さらに89年に馬場康夫監督「彼女が水着にきがえたら」、五社英雄監督「226」と立て続けに映画出演、テレビドラマもNHK『ええにょぼ』93、フジテレビ『お金がない!』94、テレビ朝日『味いちもんめ』96などで活躍の場を広げた。その一方で、自ら脚本を手がけた舞台『THE WINDS OF GOD』の公演にも意欲的に取り組む。現代のお笑いコンビが太平洋戦争当時の日本にタイムスリップして特攻隊に参加するという、戦争の悲劇を笑いで包んだ物語は高い評価を受け、91年にはロサンゼルスで初の海外公演も成功させる。同年、文化庁芸術祭賞を受賞。95年に「WINDS OF GOD」のタイトルで映画化もされ、監督は舞台版の演出も手がけた奈良橋に任せ、今井は主演と脚本を担当した。この年、伊丹十三監督「静かな生活」と併せ、キネマ旬報賞新人男優賞を受賞。同作はその後も、テレビ朝日でドラマ版『零のかなたへ/THE WINDS OF GOD』05(今井は原作のみ)が作られ、2006年には今井が自らメガホンを取り、セリフを全編英語に翻訳した2度目の映画化「THE WINDS OF GOD/KAMIKAZE」が公開される。今井の初監督映画は、これに先駆ける04年の「SUPPINぶるうす/ザ・ムービー」。舞台演出も手がけ、俳優だけに留まらない幅広い活動が続く。2015年5月28日未明、大腸がんのため都内の病院で死去した。54歳だった。