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古厩智之

  • Tomoyuki Furumaya
  • 監督/脚本
本名
出身地 長野県塩尻市
生年月日 1968/11/14
没年月日

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略歴

【リアルな青春群像を等身大で描き続ける青春映画の旗手】長野県塩尻市の生まれ。高校3年生で初めて8ミリ映画を撮影、一時は大学法学部に進学するが、新たに日本大学芸術学部へ入学し直す。同校の課題で製作した16ミリ短編「灼熱のドッジボール」が、PFFアワード92でグランプリなど3冠を受賞。その年のスカラシップを獲得し、1995年、プロのスタッフを使った16ミリ作品「この窓は君のもの」で劇場映画デビューを果たした。同作は日本映画監督協会新人賞、バンクーバー映画祭ドラゴン&タイガー・ヤングシネマ賞など内外のさまざまな賞を受賞。華々しいスタートを切るが、混乱を極めた監督経験の反動から、その後の数年間は青山真治「Helpless」(96)ほかに助監督として携わり研鑽を積んだ。2001年、満を持して長編第2作「まぶだち」を発表。自身の実体験をベースに、“クズ”呼ばわりされる少年たちのほろ苦い思い出をヴィヴィッドに捉え、芸術選奨文部科学大臣新人賞、ロッテルダム国際映画祭タイガーアワードならびに国際批評家連盟賞などを受賞し、ブランクを一気に解消する高評価を得る。03年、初のメジャー作品となる「ロボコン」では、若手俳優たちの原石の魅力を粘り強い演出によりいち早く開花させ、高専ロボットコンテストに懸ける落ちこぼれ高校生たちの姿を爽やかに描き出した。青春映画の旗手として名を馳せたのち、05年の「さよならみどりちゃん」では、報われない相手に恋焦がれるヒロインの心を見つめ、新たな段階へと進化。人気駅伝コミックを映画として昇華させた「奈緒子」(08)に次ぎベストセラーを映画化した「ホームレス中学生」(08)、対照的なふたりの女子高生剣士の成長を描く「武士道シックスティーン」(10)などを発表した。また、02年から続く『ケータイ刑事・銭形愛』シリーズや、『恋する日曜日』『神様からひと言』など、テレビドラマの演出も数多く手がけている。【長回しのアクションに感情を託す】自主映画時代の「灼熱のドッジボール」の頃より、人物の言葉にできない感情をアクションに還元させ、映画的表現を模索してきた。ギブス姿が女の子に告白できないもどかしさの象徴となった「この窓は君のもの」、殴り合うことが友情の裏返しとして痛切に映し出された「まぶだち」、惹かれ反発し合う剣道への姿勢が決闘へ結びつく「武士道シックスティーン」など、多くは主人公相互の焦れた衝突によって思春期の揺れが紡ぎ出される。「奈緒子」ではタスキをつないでいく駅伝特有の“走り”のダイナミズムを人物たちのやるせない心情にシンクロさせ、「ホームレス中学生」では食の苦境を通して家族間の葛藤と親和を組み上げ、映画的カタルシスを生み出した。また長回しを多用し、「ロボコン」の長澤まさみ、「さよならみどりちゃん」の星野真里、「奈緒子」の三浦春馬や上野樹里、「ホームレス中学生」の小池徹平など、伸び盛りの新進俳優からリアルな感情をすくい取り、新たな魅力を引き出すことでも定評がある。その意味では、自身が好きな映画と公言する「東京上空いらっしゃいませ」(90)の相米慎二の演出スピリットを引き継ぐものと言えよう。

キネマ旬報の記事

2024年3月号

巻頭特集 「映画俳優ってなんだろう」を考えてみる。:PART1 映画俳優をめぐることば 俳優が語る 古厩智之「PLAY! ~勝つとか負けるとかは、どーでもよくて~」

2010年5月上旬号

「武士道シックスティーン」:古厩智之 監督インタビュー

2008年3月上旬号

特別企画 「奈緒子」:対談 古厩智之[監督]×笑福亭鶴瓶

2003年9月下旬号

特集 「ロボコン」:対談 古厩智之監督×小栗旬

2001年12月上旬号

キネ旬インタビュー:古厩智之

1995年9月上旬号

映画の日常: