イギリス生まれ。芸人の両親の元で育ち、幼少期から公演旅行に同行し、2歳で初舞台を踏んだ。第二次世界大戦中は空軍に属し、除隊後、慰問の依頼を受けるようになる。戦後、BBCラジオの仕事を経て、コメディアンとしてテレビ界にも進出。51年には映画デビューを果たし、「マダムと泥棒」(55)で高い評価を得た。様々な国籍のキャラクターを同時に演じる才能は「博士の異常な愛情」(64)でも評価され、「ピンクの豹」(63)に始まる“ピンク・パンサー・シリーズ”のクルーゾー刑事は当たり役となった。彼の本名はリチャードだが、芸名のピーターを、死産した兄の名前から付けたと言われている点に優しさを感じさせる。