大阪府大阪市で生まれ、奈良県香芝市で育つ。父は元プロ野球・近鉄バファローズの選手だった吹石徳一。子供の頃から関西でCMモデル等の仕事を始め、1997年、菅原浩志監督「ときめきメモリアル」の藤崎詩織役で女優デビュー。フジテレビ『ラブジェネレーション』97、テレビ朝日『美少女新世紀GAZER』98などのテレビドラマを経て、2001年の三原光尋監督「あしたはきっと…」で、恋の痛みにより成長する高校生役を演じ、映画初主演。続く山川直人監督「時の香り/リメンバー・ミー」01でも、切ない運命にも屈せぬヒロインを好演して注目を集める。三池崇史監督「着信アリ」04では一転、圧巻の死にっぷりで目を奪い、その女優魂に三池監督も惚れたのか、のちの「十三人の刺客」10では、男ふたりに愛される二役のヒロインという儲け役に起用している。06年は良作への出演が相次ぎ、根岸吉太郎監督「雪に願うこと」、堤幸彦監督「明日の記憶」、生野慈朗監督「手紙」の3作で、ヨコハマ映画祭助演女優賞を受賞。園子温監督「紀子の食卓」06では、虚実入り乱れる壮絶な“家族ごっこ”の先に剥き出しの自我を見出す長女を熱演して、富川国際ファンタスティック映画祭主演女優賞に輝いた。以後も、中原俊監督「素敵な夜、ボクにください」07、矢口史靖監督「ハッピーフライト」08、羽住英一郎監督「THE LAST MESSAGE/海猿」10などに出演。鈴木卓爾監督「ゲゲゲの女房」10では、すっと伸びた脚と凛とした顔に何気なく誇りを忍ばす布枝夫人を妙演し、同じ原作のNHK連続テレビ小説とは一線を画すヒロイン像を体現した。テレビドラマはほかに、NHK『ロッカーのハナコさん』02・03、『新選組!』04、『フルスイング』08、『風に舞いあがるビニールシート』09、日本テレビ『バンビ~ノ!』07、『高校生レストラン』11、TBS『山田太郎ものがたり』07、『SCANDAL』08、『官僚たちの夏』09など、コメディから社会派まで多彩。11年には、三谷幸喜作・演出『ろくでなし啄木』で初舞台を踏んだ。