東京都杉並区の生まれ。父は、龍平が6歳の時に亡くなった俳優の松田優作、母は女優の松田美由紀。二男一女の長男で、弟は俳優の松田翔太。区立井草中学校在学中に主演俳優を探していた大島渚の目に留まり、1999年の大島監督「御法度」の新選組隊士・加納惣三郎役で、主演デビューを飾る。妖しい美少年として圧倒的な存在感を見せ、同作でキネマ旬報賞、毎日映画コンクール、ブルーリボン賞などの新人賞を総なめにした。2002年には豊田利晃監督「青い春」に、不良学生のカリスマ・九條役で主演。その後は、豊田監督の群像劇「ナイン・ソウルズ」03で父親殺しの主人公の青年を、篠原哲雄監督「昭和歌謡大全集」03ではオバさんたちと殺し合う若者グループのリーダーを、松尾スズキ監督「恋の門」04では貧乏な童貞漫画家青年を演じるなど、さまざまな役柄に挑戦していく。ここまでは、危うく妖しい尖った個性が一部の映画ファンを熱狂させていたが、大衆にまでは人気が浸透していなかった。05年、矢沢あいの人気コミックを大谷健太郎監督が映画化した「NANA」で、ヒロインにとって運命の男であるレンを好演。作品は大ヒットし、ファン層が広がる。07年の塚本晋也監督「悪夢探偵」で他人の夢に入り込む能力を持つ探偵・影山京一、中村義洋監督「アヒルと鴨のコインロッカー」07では登場人物たちに多大な影響を与える謎の男を演じ、演技面で成長を見せる。同年、NHK『ハゲタカ』で大森南朋演じる主人公と経済戦争を繰り広げる西野治役を演じ、テレビの連続ドラマに初出演。09年の同作劇場版のほか、SABU監督「蟹工船」09、君塚良一監督「誰も守ってくれない」09、木村大作監督「劒岳・点の記」09、大森立嗣監督「まほろ駅前多田便利軒」11などでも確かな印象を残している。テレビドラマはほかに、フジテレビ『あしたの、喜多善男』08、NHK大河ドラマ『天地人』09など。09年にモデルの大田莉菜と結婚、一女をもうける。