宮崎県宮崎市の生まれ。県立宮崎南高校在学中から演劇部に所属し、早稲田大学第一文学部中国文学科に進んでからは、1992年の早稲田大学演劇研究会を母体とした劇団東京オレンジの旗揚げに参加、看板役者として活躍する。大学中退後の90年代半ばからは深夜ドラマなどにも出演するようになり、2000年の大嶋拓監督「火星のわが家」で映画初出演も飾る。同年のNHK連続テレビ小説『オードリー』で注目を浴び、翌01年、長澤雅彦監督「ココニイルコト」で失意のヒロインを癒すサラリーマンを好演。当時から微笑を浮かべた表情が醸し出す柔らかい雰囲気は異彩を放っていたが、広く一般にその持ち味が認知されたのは、NHK大河ドラマ『新選組!』04で、新選組総長・山南敬助を演じてから。笑顔ひとつでキャラクターの微細な心理を表現する芝居で、一躍人気俳優の仲間入りを果たした。07年の諸星大二郎原作、早川渉監督の「壁男」で映画初主演。さらなるブレイクを果たしたのが翌08年で、NHK大河ドラマ『篤姫』で演じた徳川家定役が話題となり、映画も中村義洋監督「ジャージの二人」の主演をはじめ、原田眞人監督「クライマーズ・ハイ」では熱血新聞記者を、内田けんじ監督「アフタースクール」では物語の鍵を握る男を好演。これらの演技で、キネマ旬報賞、ブルーリボン賞、毎日映画コンクール、報知映画賞など数々の助演男優賞に輝いた。翌09年も沖田修一監督「南極料理人」、吉田大八監督「クヒオ大佐」に主演してヨコハマ映画祭の主演男優賞を受賞。さらに、中村監督「ゴールデンスランバー」10、森田芳光監督「武士の家計簿」10、佐々部清監督「日輪の遺産」「ツレがうつになりまして。」11など主演映画が相次ぐ。テレビドラマはほかに、フジテレビ『Dr.コトー診療所2006』06、『ヒミツの花園』07、『トライアングル』09、『ジョーカー・許されざる捜査官』10、TBS『官僚たちの夏』09、『南極大陸』11、NHK『塚原卜伝』11など。本来の出自である舞台の出演こそ減ったが、活躍の場はますます広がっている。