佐賀県小城市の生まれ。本名・荒川良友。佐賀龍谷高校卒業後、24歳の時に松尾スズキ主宰の劇団大人計画に参加。舞台俳優として、松尾の作・演出による『ヘブンズサイン』『母を逃す』『キレイ』『エロスの果て』『ニンゲン御破算』、宮藤官九郎作・演出『春子ブックセンター』『熊沢パンキース03』、野田秀樹演出『贋作・桜の森の満開の下』など、小劇場系から文芸作品まで数多くの作品に出演する。松尾が名付けた当初の芸名は“荒川上手(じょうず)”だったが、のちにやはり松尾によって現在の芸名に改名した。2002年、矢口史靖と鈴木卓爾が監督したオムニバス映画「パルコフィクション」の「見上げてごらん」で映画初出演。唯野未歩子演じるヒロインにストーカー一歩手前のような純愛を捧げる警備員を演じる。同年公開の宮藤脚本、曽利文彦監督「ピンポン」02では卓球部のキャプテンに扮し、出番は少ないが忘れがたい印象を残した。03年、大人計画では役者としても活動する井口昇監督の「恋する幼虫」で映画初主演。セックスにトラウマをもつ繊細かつ傲慢な漫画家を演じた同作は、ゆうばり国際ファンタスティック映画祭など多くの映画祭に招待され、荒川自身も一躍注目を浴びた。翌04年、お笑い芸人のおぎやはぎ、バナナマンと共演したテレビ東京の深夜ドラマ『30 minutes』が話題となり、さらに知名度が上がる。「ドラッグストア・ガール」04、「真夜中の弥次さん喜多さん」05や、TBS『タイガー&ドラゴン』05、『うぬぼれ刑事』10、テレビ朝日『未来講師めぐる』08など、大人計画時代からの仲である宮藤の作品で特に精彩を放つほか、その独特の風貌と台詞回しで、一度見たら忘れられない特異な魅力を発揮し、クセのある脇役として重宝がられている。テレビドラマはほかに、TBS『愛なんていらねえよ、夏』02、『夜王』06、日本テレビ『働きマン』07、フジテレビ『全開ガール』11など多数。