埼玉県上福岡市(現・ふじみ野市)の生まれ。7歳の頃から劇団東俳に所属し、本名の“星野真理”名義でCMやテレビドラマに子役として多数出演。NHK連続テレビ小説『春よ、来い』94~95に出演した頃から本格的に女優として活動を始め、TBS『3年B組金八先生』の第4シリーズ95~96に、主人公・坂本金八(武田鉄矢)の娘・乙女役でレギュラー出演する。母が早逝した坂本家を支えるしっかり者の娘を堂々と演じて、自身の成長と重なるように乙女のキャラクターもシリーズを追うごとに成長。金八が定年を迎えた『3年B組金八先生ファイナル』11まで出演を続ける。ベテラン子役の演技力は早くから評価され、TBS『WHO !?』97で連続ドラマ初主演。99年に芸名を現在の“真里”に改めたあと、日本テレビ『新・星の金貨』01では過酷な運命を生きるヒロインを好演し、飯島愛の自伝が原作のフジテレビ『プラトニック・セックス』01では主人公を演じて、優等生イメージからの脱皮が話題を呼ぶ。ほかにもフジテレビ『人にやさしく』02、『大奥・第一章』04、TBS『恋の時間』05、『おちゃべり』09など多数のドラマに出演する。これらドラマでの活躍に比べると映画出演は少なく、山田洋次監督「虹をつかむ男・南国奮斗篇」97で初出演したあとは、犬童一心監督「死に花」04がある程度だったが、2005年の古厩智之監督の恋愛映画「さよならみどりちゃん」のゆうこ役で初主演。みどりという名の彼女がいるとわかってもタカシ(西島秀俊)と離れられない、ヒロイン・ゆうこの揺れる感情を繊細に演じ切り、フランスのナント三大陸映画祭で主演女優賞を受賞する。評価をさらに高めたのは09年で、深川栄洋監督「60歳のラブレター」の父と距離のある娘、是枝裕和監督「空気人形」の孤独なOLで別人のような姿を見せ、主演した鈴木卓爾監督「私は猫ストーカー」ではささやかな幸福を大切にする女性の日常を素に近い実在感で演じる。一方、窪田将治監督「失恋殺人」10では江戸川乱歩に代わって事件を調査する妻・文代役で明朗な魅力を披露。10年にはエッセイ集『星野真里の地味な生活』を出版し、評判となった。