東京都の生まれ。父は俳優の長塚京三。早稲田大学第二文学部演劇専修在学中の1996年に、演劇プロデュースユニット“阿佐ヶ谷スパイダース”を旗揚げ。出演も兼ねて、同劇団の作・演出家として多数の舞台で活躍を続ける。フジテレビ『世にも奇妙な物語・秋の特別編』98の一篇『ホーム、スィートホーム』と、日本テレビの深夜ドラマ『東京らぶ』00では脚本を手がけ、映像業界でも徐々に頭角を現す。俳優としては、市川準監督「ざわざわ下北沢」00で喫茶店の跡取り息子・章介役で映画初出演。翌01年の石川寛監督「tokyo.sora」では流行らない喫茶店のマスターを演じ、高崎映画祭新人男優賞を受賞した。その後も、井筒和幸監督「ゲロッパ!」03、ケラリーノ・サンドロヴィッチ監督「1980」03などに出演し、脇役ながらも光る演技を見せる。なりゆきで出会った男女3人が織りなすおかしくもせつない道行きを描いた山下敦弘監督「リアリズムの宿」04では、駆け出しの脚本家・坪井小助役で初主演も果たし、冴えない20代男性のリアルをユーモラスに好演した。その独特な存在感からか個性的な役柄が多く、風間志織監督「せかいのおわり」05ではバイセクシャルの店長、行定勲監督「遠くの空に消えた」07では弟を失くして正気を失ってしまった兄、マイケル・アリアス監督「ヘブンズ・ドア」09では車を盗んだ主人公を執拗に追いかける不気味な悪役と幅広い役柄をこなす。若きジャーナリストと活動家の葛藤を描いた山下監督「マイ・バック・ページ」11では、東大全共闘議長・唐谷義朗を熱演した。テレビドラマも、フジテレビ『アンティーク・西洋骨董洋菓子店』01で、滝沢秀明演じる主人公の元ボクサーのライバルだった鬼塚トオル役をふてぶてしく演じて注目を集める。NHK連続テレビ小説『ウェルかめ』09では、ヒロインに恋するキザなイラストレーター・佐古役でそれまでのイメージを一新、さらなる人気を獲得した。舞台の作・演出での活躍もめざましく、04年の『はたらくおとこ』『ピローマン』で朝日舞台芸術賞と芸術選奨文部科学大臣新人賞、『ラストショウ』05で読売演劇大賞優秀作品賞、『ウィー・トーマス』06で読売演劇大賞優秀演出家賞をそれぞれ受賞。11年、演劇のさらなる可能性を探るべく、阿佐ヶ谷スパイダースとは別の新プロジェクト“葛河思潮社”を起ち上げた。09年、「ゲロッパ!」で共演した常盤貴子と結婚。