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バフマン・ゴバディ

  • Bahman Ghobadi
  • 監督/脚本/製作/出演
本名
出身地 コルデスターン州クルド人居住地域(クルディスタン)
生年月日 1969/02/01
没年月日

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略歴

【寓話と写実によってクルド人の現状を追求する】イラン、コルデスターン州のクルド人居住地域(クルディスタン)に生まれたクルド人。写真現像所やラジオ局等の就労を経て、自主製作グループで短編8ミリ映画の製作を開始した。この間にテヘランの学校で正式に映画製作を学んだとされるが、詳細は資料によって異なっている。続けて社会人として働きながら短編映画を製作し、90年代に発表した作品は10本以上、このうちドキュメンタリーの1作は99年の海外映画祭で多数の受賞を果たした。一方で、アッバス・キアロスタミ監督「風が吹くまま」(99)の助監督に就き、サミラ・マフマルバフ「ブラックボード/背負う人」(2000)の主要俳優をつとめるなど、業界活動にも参加。2000年、多人種映画の製作を目的に独立プロを設立、同年に初の長編監督作として、クルド語によるイラン映画「酔っぱらった馬の時間」を発表した。長編デビュー作はカンヌ映画祭に出品されカメラドールなど2冠に輝き、以後の長編すべてがなんらかの海外映画祭で受賞を果たす快進撃を続ける。老歌手がイランを捨てた元妻を救おうとイラクへ旅立つ「わが故郷の歌」(02)および2本の短編ドキュメンタリーを経た、長編第3作の「亀も空を飛ぶ」(04)はベルリン映画祭平和映画賞ほかを受賞ゲリラ撮影を敢行した第5作「ペルシャ猫を誰も知らない」(09)は、収監されるイラン人ミュージシャンの物語を綴ってカンヌに出品されたが、共同脚本である婚約者がスパイ容疑で拘束され、釈放後に監督自身もイランを去ると発言している。【ニューウェーヴからクルド映画へ】イラン映画界においては、穏健派・自由化が台頭する2000年代以降登場の、イラン・ニューウェーヴ第四世代に属する。だが一貫してクルド人の物語をクルド語で綴る点で、イラン映画人というよりクルド語映画人と呼ぶ方が相応しく、クルド人としての出自を反映した映画作りを続ける。その長編作品群はふたつの系統に分けられ、ひとつが「酔っぱらった馬の時間」や「亀も空を飛ぶ」の、児童を主人公に据えた寓話的な物語群。もうひとつが「わが故郷の歌」や「半月/ハーフムーン」(06)、「ペルシャ猫を誰も知らない」の、成人音楽家を主人公に据えクルド人の苦境を物語化したもの。いずれも90年代以降のニューウェーヴの特徴(マジッド・マジディの項参照)を受け継ぎつつ、初期ニューウェーヴに色濃い社会派リアリズムの性格が強められた。これは規制緩和により、子供が過酷な現実に苦しめられるクルディスタンの現状(前系統群)や、女性の歌唱禁止という慣習(後系統群)を、映画の題材にし得るようになったことが特性の背景にある。だが規制や弾圧は完全に開放されたわけではなく、詩情と社会派の両立を譲らない姿勢は、困難な状況下ゆえの力強さをも映画にもたらすこととなった。

キネマ旬報の記事

2015年7月下旬号

「サイの季節」:インタビュー バフマン・ゴバディ[監督・脚本] 雄弁に物語る映像への希求

2010年8月下旬号

SPECIAL INTERVIEW:バフマン・ゴバディ監督「ペルシャ猫を誰も知らない」

2005年9月下旬号

キネ旬チョイス 「亀も空を飛ぶ」:バフマン・ゴバディ監督 インタビュー

2004年3月下旬号

INTERVIEW キネ旬インタビュー:3 バフマン・ゴバディ

2002年9月下旬号

INTERVIEWS キネ旬インタビュー:1 バフマン・ゴバディ