東京都荒川区の生まれ。本名の“しほり”は、サザンオールスターズの大ファンだった母が『栞のテーマ』に因んで名付けたという。中学生の時にスカウトされて、伊藤正次演劇研究所(現・Ito Mスタジオ)で演技の基礎を学ぶ。2001年には同研究所の公演に出演。翌02年、「惨劇館・夢子」で映画デビューし、同年の「修羅の群れ」にも出演した。各社のCMにも出るがしばらくはほぼ無印の状態が続き、大妻女子大学に進学(のちに中退)。03年に、東北の女子高生たちがジャズバンドを組む矢口史靖監督「スウィングガールズ」のオーディションに合格し、転機を迎えた。メインキャストのトランペット・斉藤良江役に選ばれるが楽器経験はまったくなく、主演の上野樹里らと一緒に合宿を含む3カ月以上の特訓を受ける。映画は04年に公開され、若い女優たちが演奏できるまで成長した姿がストーリーと爽やかに重なって大ヒット。同作での芯のある演技が認められ、「最終兵器彼女」「夜のピクニック」06、「愛の流刑地」07や、フジテレビ『大奥・華の乱』05、テレビ朝日『氷点』06などのテレビドラマにも出演を重ねる。そして07年、NHK連続テレビ小説『ちりとてちん』のヒロインとなる。同姓同名の人気者と比較され“B子”と呼ばれる和田喜代美が、失敗や後悔をクヨクヨ重ねながら女流落語家をめざす物語で、朝ドラ史上異例だった劣等感だらけのヒロイン役を完全にものにして一層のブレイクを果たした。以降もテレビ朝日『キミ犯人じゃないよね?』08、TBS『あんどーなつ』08と主演を続け、NHK大河ドラマ『龍馬伝』10では龍馬を慕う千葉道場の佐那役。映画でも「ALWAYS/続・三丁目の夕日」07、「パコと魔法の絵本」08と話題作に出演。中村義洋監督の「ジェネラル・ルージュの凱旋」09、「ゴールデンスランバー」10では短い場面で映画を明るくする役に続けて起用された。行定勲監督「パレード」10では逆に、ルームシェアの関係がある事件から揺らいでいく5人の男女のひとり。人と深く関わらぬ明るさが上辺だけと見抜かれる難しい役どころを好演した。