静岡県磐田市の生まれ。父は元サッカー日本代表で、Jリーグ・ジュビロ磐田の初代監督だった長澤和明。12歳だった2000年に、第5回東宝シンデレラ・グランプリに史上最年少で選ばれ、直ちに金子修介監督「クロスファイア」00に出演する。上京後の02年から本格的な女優活動に入り、大林宣彦監督「なごり雪」02、塩田明彦監督「黄泉がえり」03や、日本テレビ『Pure Soul/君が僕を忘れても』01、NHK連続テレビ小説『さくら』02などのテレビドラマに出演。溌剌とした存在感で逸材と注目を集めたのは、初主演映画の古厩智之監督「ロボコン」03だった。高専ロボットコンテストに仲間と挑むヒロイン・里美役で、演技に目覚める。04年、片山恭一のベストセラー小説を映画化した行定勲監督「世界の中心で、愛をさけぶ」に出演。白血病治療で脱毛するヒロインになり切るため、剃髪して撮影に臨んだ熱意が話題を呼ぶ。同作は興収85億円の大ヒットとなり、日本アカデミー賞最優秀助演女優賞などを受賞。映画女優の育ちにくい時代に映画中心に歩み始めて、なおかつ大きな結果を出し、新進でも別格の人気を得る。05年は犬童一心監督「タッチ」に主演してヒットさせつつ、フジテレビ『優しい時間』、TBS『ドラゴン桜』などテレビドラマの出演が増える。翌06年は大谷健太郎監督「ラフ」、土井裕泰監督「涙そうそう」が公開され、TBS『セーラー服と機関銃』06でドラマ初主演。ここまでは10代のその季節だけの輝きを焼きつけた作品が多く、作品歴が成長の記録と重なる幸福なキャリアをたどってきたが、平川雄一朗監督「そのときは彼によろしく」07辺りからは、清純なヒロイン役がパターン化するジレンマの時期を迎える。テレビドラマではフジテレビ『プロポーズ大作戦』07、テレビ朝日『ガンジス河でバタフライ』07などを経て、フジテレビ『ラスト・フレンズ』08でDVに苦しむ女性をシリアスに演じて反響を呼ぶ。同局『GOLD』10では図々しいが憎めない秘書役を好演、明朗な魅力を再認識させる。11年は片山修監督「岳/ガク」に続いて、是枝裕和監督「奇跡」にも出演。