茨城県日立市の生まれ。小学校卒業を控えた時期、母親に連れられて芸能事務所のオーディションを受けたのをきっかけに、中学進学後からCM出演や雑誌のモデルを中心に芸能活動を開始する。当初は、地元の学校生活と東京での芸能活動の両立に悩んでいたが、2000年の緒方明監督「独立少年合唱団」で共演した同世代の多くの役者たちの姿勢に触発されて、本格的に芸能活動を続けていくことを決意したという。06年、市原隼人主演の映画「チェケラッチョ!!」の姉妹編にあたるフジテレビ『チェケラッチョ!! in TOKYO』に出演。映画は沖縄を舞台にしていたが、こちらは東京の高校の廃部寸前の放送部を舞台に、ヒップホップを通じて放送部員が成長していく姿が描かれた。渡部は放送部員のひとり、大木悟を演じている。さらに、続く山下智久主演の同局『プロポーズ大作戦』07では、主人公の同級生・根津重人役。山下演じる主人公・岩瀬健がピンチに陥ると、ふらりと現れては哲学的だが実際には何も役に立たない言葉を投げかけて去っていく、通称“ソクラテス”で一躍知名度を上げた。以降は、日本テレビ『ホタルノヒカリ』07、『ヤスコとケンジ』08、『リセット』『猿ロック』09、『ブルドクター』『QP』11、NHK『柳生十兵衛七番勝負・最後の闘い』07、BSフジ『ジュテーム・わたしはけもの』08、テレビ東京『大魔神カノン』『嬢王3』10、TBS『華和家の四姉妹』11など、間断なく数々のテレビドラマに出演。映画でも、本田隆一監督「GSワンダーランド」08、本木克英監督「鴨川ホルモー」09などに出演し、佐藤純彌監督「桜田門外ノ変」09では井伊直弼を襲撃する水戸藩士・佐藤鉄三郎に扮した。いずれもメインキャストではないながらも、作品のスパイスとなる味わい深い演技を披露し、特異な存在感を印象づけている。09年4月、田中美保とのW主演の『夜は短し歩けよ乙女』で初舞台を飾り、同年5月には朗読劇『苦情の手紙』にも出演。10年の『絹の靴下/Silk Stockings』では初のミュージカルにも挑戦した。同作の千秋楽後、2週間の間を置かず舞台『余命1ヶ月の花嫁』に連続登板。CMタレントとしてキャリアをスタートさせてから、ドラマ・映画・舞台へと次々に活躍の場を拡大し、最近ではテレビのバラエティ番組でも、その不思議な存在感が人気を集めている。