東京都の生まれ。青山学院大学在学中の1993年からモデルとして活動を始め、186cmの長身を活かして、『Gainer』『MEN'S CLUB』『MEN'S EX』などのファッション誌を中心に活躍する一方、ニューヨーク、パリ、東京、ミラノ、上海、香港など各地のファッションショーで、有名ブランドのモデルをつとめる。11年間のモデル活動ののち、2005年に俳優に転身。31歳と遅いデビューではあったが、日本を代表する有名モデルということもあって、お披露目会見が開かれた。俳優デビュー作となったTBS『夢で逢いましょう』05ではIT企業の社長・篠田圭一郎役を演じ、矢田亜希子演じるヒロインに資産家らしいゴージャスなデートでアプローチする男性を、嫌味を感じさせず爽やかに見せた。続いてフジテレビ『電車男』05では、伊藤淳史演じる主人公の同僚で社長の息子・及川尚人役。“電車男”のよき理解者となる役柄をコミカルに演じ、知名度と好感度を上げることに成功した。その後も、テレビ朝日『けものみち』06では政財界の大物の使用人兼警備担当・黒谷役、フジテレビ『役者魂!』06では社長秘書から舞台俳優に転身する山崎役を演じるなどしてキャリアを積み、NHK大河ドラマ『風林火山』07では、位の低い近習から武田家の重臣にまで登り詰めた飯富昌景を演じる。フジテレビ『わたしたちの教科書』07では、菅野美穂演じる主人公と同じ法律事務所で働く弁護士役。さらに同年、石原慎太郎が製作総指揮と脚本を手がけた新城卓監督の戦争大作「俺は、君のためにこそ死ににいく」で、いよいよ映画初出演。作品自体の評判は芳しくなかったが、前川は実在の朝鮮人特攻隊員をモデルにした金山少尉役を熱演し、それまで多かったスマートな役柄とは対照的な特攻隊員役で新境地を開いた。その後は今のところ映画出演はないが、テレビドラマで活躍。TBSの昼帯ドラマ『ナツコイ』08では、ちはる演じるヒロインの相手役で準主演し、元彼の風鈴職人・佐々木浩介を好演する。恵まれた体躯と野性味と知的さを併せ持つルックスから、フジテレビ『逃亡弁護士』10では刑事役、『アリアドネの弾丸』11では検視官、テレビ東京『モリのアサガオ』10では拘置所の看守役と、堅い職種の役どころを演じることも多い。ドラマの出演作はほかに、フジテレビ『ハチミツとクローバー』08、TBS『ランナウェイ・愛する君のために』11など。舞台の出演作に、『SHINKA/心華』09、『銭形平次/きよしの平次・青春編』がある。07年、元フジテレビアナウンサーの政井マヤと結婚、一男一女がある。