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ルイ・マル

  • Louis Malle
  • 監督/脚本/製作/原作
本名
出身地 フランス、ノール県テュムリー
生年月日 1932年10月30日
没年月日 1995年11月23日

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略歴

【フランスとアメリカを往復し、人間性を探求した監督】フランス北部、ノール県テュムリー生まれ。父は砂糖工場と鉄工業を経営する大ブルジョワの家系。14歳の頃から映画に傾倒し、1951年に映画高等学院(IDHEC)に入学。卒業後、53年にジャック=イヴ・クストー監督のドキュメンタリー「沈黙の世界」の製作に参加。25歳の時に自己資金で製作した「死刑台のエレベーター」(57)で映画デビューを果たす。セットではなく、実際のパリの夜の街を移動撮影で捉えた映像、バックに流れるマイルス・デイヴィスの即興演奏などが話題となり大ヒット。当時の新しいフランス映画の流れ=ヌーヴェル・ヴァーグ(厳密にはルイ・マル自身はカイエ・デュ・シネマ派に属していないが)の初期を飾る1本となった。翌年に手がけた「恋人たち」(58)でも成功をおさめ、以後、レイモン・クノーの原作をスラップスティック・コメディに仕立てて今なおカルト的人気を誇る「地下鉄のザジ」(60)や、ブリジット・バルドーとマルチェロ・マストロヤンニというスターを起用した「私生活」(62)、エリック・サティのピアノ曲が印象的な「鬼火」(63)、ジャンヌ・モローとバルドー共演のミュージカル調ドラマ「ビバ!マリア」(65)など、好調な仕事ぶりを続ける。「恋人たち」はヴェネチア映画祭サンマルコ銀獅子賞、「鬼火」は同映画賞審査員賞、イタリア批評家賞をそれぞれ受賞。【自らの生きた時代をノスタルジックに描く】1977年にアメリカに渡り、人気新人女優のブルック・シールズ主演作「プリティ・ベビー」(78)、初老の元ギャングと女賭博師が活躍するアクション「アトランティック・シティ」(80)、社会派ドラマ「アラモベイ」(85)など多彩な作品を手がけ、この時期のフランス出身の監督として、アメリカで最も成功した一人となった。「アトランティック・シティ」はヴェネチア映画祭金獅子賞を受賞。二度の離婚を経て80年には女優のキャンディス・バーゲンと結婚、一女をもうけている。87年、10年ぶりにフランスに戻り、「さよなら子供たち」を監督。自伝的色彩が濃厚なナチス占領時代の少年もので、セザール賞で作品賞など7部門を受賞。大好評をもって凱旋帰国を果たした。続いて手がけた「五月のミル」(89)も、五月革命さなかのフランスの田舎町を舞台に、母の葬儀のために集まったブルジョワ一家の様々な人間模様を描くドラマで、自らの生きた時代を愛情と苦味をこめてノスタルジックに回想し多くの共感を得た。息子の恋人に惹かれる男を描く「ダメージ」(92)の後、再びアメリカで、チェーホフの『ワーニャ伯父さん』を上演しようとするニューヨークの劇場を舞台にしたドキュメンタリー・タッチの「42丁目のワーニャ」(94)を手がけるが、これを遺作に95年にガンで死亡。母国フランスとアメリカを行き来する中で、様々なジャンルや題材を手がけながら、人間そのもの、人生そのものを探求していった監督であった。

キネマ旬報の記事

1996年11月下旬号

特別企画 ルイ・マルの軌跡:「42丁目のワーニャ」作品評

特別企画 ルイ・マルの軌跡:ルイ・マルならコレを見る!

1996年1月下旬号

特別企画 さよならルイ・マルおじさん:アメリカのルイ・マイ

特別企画 さよならルイ・マルおじさん:フランスのルイ・マイ

1993年5月上旬号

グラビア《Talky talk》:ルイ・マル

インタビュー THE FACE '93:ルイ・マル

1993年4月下旬号

特集 ダメージ:ルイ・マル インタビュー

1990年7月上旬号

特集 5月のミル:ルイ・マル インタビュー

1988年12月下旬号

特別インタビュー:「さよなら子供たち」をめぐって ルイ・マル

1988年11月上旬号

特集 さよなら子供たち:ルイ・マルは語る

1975年3月上旬号

グラビア:ルイ・マル監督 「ルシアンの青春」

1975年1月上旬新年特別号

プロフェッショナル:ルイ・マル

1974年10月上旬号

グラビア:ルイ・マルの新作 「ルシアンの青春」

1972年5月下旬号

ルイ・マル監督への好奇心にとんだ質問:

1972年5月上旬号

顔と言葉:

1972年4月上旬春の特別号

グラビア:好奇心/ルイ・マル

グラビア:ルイ・マル作品集

「好奇心」とルイ・マル監督の研究:1 そのイマジネーションの秘密

「好奇心」とルイ・マル監督の研究:2 ルイ・マル全自作について語る

シナリオ:好奇心

1971年10月下旬号

特別グラビア:ルイ・マルの「好奇心」

1966年4月下旬号

シナリオ:ビバ!マリア

1960年12月下旬号

特集批評 ルイ・マルの喜劇「地下鉄のザジ」:ルイ・マルの意図

1960年8月上旬号

「スリ」とブレッソン・スタイル:「すり」の寓話性

1959年10月下旬号

特集 新しい映画は生まれたか:特別寄稿 私は答える

1959年4月上旬春の特別号

ルイ・マルの「恋人たち」分析:イメージによる映画の世界

ルイ・マルの「恋人たち」分析:映画的映画に関する序説

ルイ・マルの「恋人たち」分析:近景と遠景の間