神奈川県横浜市の生まれ。中央大学理工学部電気工学科在学中の1985年、集英社主催の“第3回non・noボーイフレンド大賞”でグランプリを獲得。モデルとして活動を始め、雑誌『MEN'S NON-NO』では創刊以来3年7カ月に渡って43回連続で表紙を飾る。当時沸き上がった二枚目モデルブームの代表的な存在として、加藤雅也、風間トオルらとともに人気を博し、大学卒業後の87年、佐藤雅道監督「はいからさんが通る」でヒロイン・南野陽子の相手役となる大正時代の陸軍少尉・伊集院忍役を演じ、映画初出演を飾る。以降もモデル業と並行しながら、日本テレビ『花嵐の森ふかく』88、TBS『俺たちの時代』89などのドラマに出演し、90年のテレビ東京『ぼくが医者をやめた理由』でドラマ初主演。彫りの深い抜群のルックスに加え、190cm近い長身の日本人離れした二枚目スターとして注目されるが、それが逆に災いしたかその後は役に恵まれず、徐々に芸能界の表舞台から消えていきかけた。不遇の時代を過ごしていた93年、つかこうへい原作、工藤栄一監督の「リングリングリング・涙のチャンピオンベルト」に助演。そこでのつかとの出会いをきっかけに、つか作・演出の舞台『熱海殺人事件・モンテカルロイリュージョン』に出演するチャンスをつかみ、ナルシストで同性愛者の木村伝兵衛部長刑事を怪演したことで、俳優人生の再スタートが切られた。銃の魅力に取り憑かれ狂気の殺人者へ変貌していく平凡なサラリーマン役で主演した渡辺武監督「凶銃ルガーP08」94、やくざの組長を慕う金持ちのボンボン役で役所広司と共演した細野辰興監督「大阪極道戦争・しのいだれ」94などクセのある役どころに挑んで、それまでの二枚目好青年のイメージを払拭。低予算映画、当時隆盛だったOV、悪役・汚れ役にも進んでチャレンジし、個性的な性格俳優としてのポジションを確立していく。以後も、松浦雅子監督「人でなしの恋」95、坂上忍監督「30/thirty」97、斎藤久志監督「フレンチドレッシング」98などの映画や、NHK大河ドラマ『八代将軍吉宗』95への出演を経て、90年代後半からは活動の中心がテレビの連続ドラマへとシフトしていく。96年のNHK時代劇『天晴れ夜十郎』では6年ぶりの連続ドラマ主演。さらに、フジテレビ『成田離婚』97、『お水の花道・女30歳ガケップチ』99、日本テレビ『愛、ときどき嘘』08、テレビ朝日『チェンジ!』98、TBS『週末婚』99など多数のドラマで名脇役ぶりを発揮する。ことに、2000年1月のフジテレビ『イマジン』から03年4月のTBS『笑顔の法則』までは14クール、3年半に渡って連ドラのレギュラー出演を続けるという大車輪の活躍を見せた。その連続出演の間に、長い当たり役となる天才物理学者・上田次郎に扮したテレビ朝日『TRICK』00~03や、木村拓哉主演でのちに映画化もされるフジテレビ『HERO』01が含まれており、さらに、変わり者の国選弁護人・有働和明を演じた日本テレビ『最後の弁護人』03以降は連ドラの役どころが主役に移行して、フジテレビ『アットホーム・ダッド』04、『結婚できない男』06、『白い春』09、TBS『ドラゴン桜』05、『新参者』10などに次々主演する。こうしたテレビドラマの華々しい活躍に加え、舞台でもその個性を発揮し続けているが、映画でも00年代以降は、名バイプレイヤーから主演スターへと昇り詰めていく。藤田明二監督「アジアンタムブルー」06、堤幸彦監督「大帝の剣」「自虐の詩」07、中村義洋監督「チーム・バチスタの栄光」08、「ジェネラル・ルージュの凱旋」09、是枝裕和監督「歩いても歩いても」08、中西健二監督「青い鳥」08、緒方明監督「死刑台のエレベーター」10などで、シリアスからコメディ、平凡な市井の人から強烈な個性の変人まで、幅広い役どころを絶妙の芝居勘で演じ分け、香港映画「東京攻略」01、タイ映画「チョコレート・ファイター」08などでは、古武道で鍛えた身体能力の高さを活かしてアクションもこなした。常に新しい役を求め、一箇所に留まることなくあらゆる芝居に挑戦し続ける得難い個性は、『新参者』の劇場版「麒麟の翼」、古代ローマ人の役を演じる武内英樹監督「テルマエロマエ」、詐欺師グループのリーダー役の伊藤匡史監督「カラスの親指」と、12年公開予定の3本の主演映画がすでに待機中である。