東京都の生まれ。都立北野高校を卒業後、現代演劇協会演劇学校を経て1977年、同協会附属劇団雲から分派した演劇集団円の正式会員に昇格、舞台活動を始める。円ではレパートリーのシェイクスピア劇『リチャード三世』『マクベス』『オセロー』などに主演。しかし、若手時代はアルバイト兼業、昇格当時からテレビの脇役や映画に出演していた。これらの研鑽がテレビドラマの中間管理職的な小市民役の定評へと繋がる。映画は78年のにっかつロマンポルノ「果てしなき絶頂」に、ヒロインの弟役で初出演。ロマンポルノには路線終了の88年まで軽めのセックスドラマに20本近く出演し、ヒロインの純な相手役や浮気妻の夫を多く演じた。一般映画にも伊丹十三監督「お葬式」84、森田芳光監督「そろばんずく」86ほかで端役をあてられたが、注目されたのは93年の崔洋一監督「月はどっちに出ている」からで、方向音痴のタクシー運転手として道に迷っては表題の台詞を問われるコメディリリーフを好演。以後も、軽妙な芝居でシリアスからコメディまで幅広くこなす名脇役としてのポジションを確立する。テレビドラマでは、TBS『高校教師』93の学年主任、『スウィート・ホーム』94のお受験に臨む父兄、『華麗なる一族』07の銀行常務、フジテレビ『沙粧妙子最後の事件』95の課長刑事、『隠密奉行朝比奈』99の目付小役人、テレビ朝日『名奉行！大岡越前』05・06の筆頭与力、NHK『風林火山』07の武田家重臣、『つばさ』09のヒロインの同級生の父など硬軟合わせた助演が光り、特にTBS『3年B組金八先生』には95年の第4シリーズから社会科教師役でレギュラー出演、広く知られる代表作とした。舞台活動は近年も積極的で、円ではきむらゆういち作『あらしのよるに』の絵本ひとり語りを持ち役に。また、2010年には東京セレソンDX『くちづけ』に招かれ、18年ぶりの外部出演を果たした。